「地質時代」ってロマンがあっていいですよね。数ある地質時代の中で、あなたの好きな年代はどこでしょうか?皆さんの幼少期もやはり、小学館の「大むかしの生物」を愛読書にしていたと思うので、迷われる方も多いかと思います、分かりますよ。無理もありません。どの年代もそれぞれ違った良さがあります。どうぞお考えください。時間はたっぷりありますから。
「白亜紀かなあ、ジュラ紀もいいよな、」とてもよく分かります。その時代もとても魅力的ですよね、でもやっぱり1番魅力的なのは「カンブリア紀」ですよね!そこで今回はカンブリア紀期にいた私の好きな生物。「バージェス動物群」について話していきたいと思います。
と言いたいところですが、大体の人が何の話をしているのかわからないと思います、愛読書が生き物図鑑の人なんかいないでしょう。そこでまずは地質時代、カンブリア紀の説明をしていきたいと思います。
地質時代とは
約46億年の地球の誕生から現在までの間までで、文献資料などの現存しているものによって、歴史の出来事を検証することが可能な時代(有史時代)よりも前の時代で、地質学的な手法でしか研究できない時代の事です。文献資料が無い時代ですね、つまり文字が生まれる前の時代になるので、日本では約6000年以上前の時代ということになります。
そんな地質時代の中でも、大きく4種類の時代に分けられています。
①「冥王代」地球上で岩石や結晶などの直接的な証拠が少なく、月の石や隕石などの情報から推察されています。(約46億年前)
②「始生代」生物化石はほとんどなくなり研究対象が主に地層や岩石になります。(約40億年前)
③「原生代」顕生代と比較すると生物化石は少なくなるが微化石や生痕化石などが研究対象になります。(約25億年前)
④「顕生代」比較的情報量が多く研究が進んでおり、カンブリア紀はここの特に「古生代」に属します。(約5億年前)
カンブリア紀は地質時代の古生代における区分の一つで、この時代の化石が発見されたイギリスのラテン語(カンブリア)から名前がつけられました、この時代の生き物の事を「バージェス動物群」と言います、
バージェス動物群の詳細
カンブリア紀に生息していた、「バージェス動物群」、現在の生物と比べて非常に奇異な姿をした生物が多く見られ、この時期の生物群を総称してバージェス動物群の他に、「カンブリアンモンスター」とも呼ばれます。響きがかっこいいですね。
この時期の初期には動物門のほとんどすべてが出現したと言われており、この時代に動物の多様性が一気に増大した可能性があり、これをカンブリア爆発と呼びます。それまで単純な構造をした生き物が多かったのですが、カンブリア爆発によって様々な生き物が生まれたのですね。それではここから私の好きなバージェス動物群の魅力を語っていきます。
①オパビニア
目が5個、胴部は15個の体節、口先がハサミのようなギザギザの触手で敵を捕らえる姿は、これまで生存してきた動物の枠には収まらず、「奇妙奇天烈動物」の代表例とされてきました。近縁種さえも類推が不可能な生き物と言われており、最初の復元図が学会で発表された際にはその姿のあまりの奇妙さに会場が爆笑に包まれ、学会の進行がしばらくストップしたというエピソードもあるそうです。
口はここです。確かに今の生き物ではこのような姿は見られないとても奇妙なフォルムをしています。だからカンブリア紀の生き物は大好きなんです。ロマンを感じずにはいられません。
カンブリア紀最大級の生物かつ捕食者の頂点とされており、オパビニア同様、近縁種や分類学的な位置づけが出来なかったのです。名前の由来は「anomalo(奇妙な) caris (エビ)」「奇妙なエビ」から来ており、最大1メートル以上の大きさです。また複数の眼からなる「複眼」であり、レンズの数が約16000個もあるそう、ポケットモンスターの「アノプス」はこの生物をヒントにして作られました。
ポケモン界ではアノプスがあまり強くない印象なのですがカンブリア紀では捕食者の頂点であったことが非常に意外ですよね。
③ハルキゲニア
個人的に1番フォルムの意味がわかりませんでした。
ハルキゲニアはラテン語で「幻覚のような、」といった意味がありますが、この図だけを見るとどこが口なのか、どこが眼なのか全くわからないですよね。100年以上このハルキゲニアの研究の続けてきた結果、1992年にこのフォルムが実は逆さだったことが判明します。
足だと思われていたものが敵から身を守るために生えたもので、背中に生えているものが実は足だったのです。ですのでこのイラストから現在ではこう言った形だったのではと推測されています。
少し生き物としてのイメージが湧いてきましたね。このハルキゲニアは「有爪動物」の仲間であり、現存する生き物だとカギムシがその例です。
似てなくもないのか??と言う感じですが、やはり当初のワクワク感は無くなってしまいますね。
当初のイラストが上下逆さであった事が分かったため、幻覚のようなフォルムだった当初のハルキゲニアの復元は言葉の通り幻になってしまったのです。
ここまで見てきて、やはり古代の生物というのは今でも謎が多く解明されていない分ロマンに溢れていて、かつミステリアスで非常にカッコイイなと感じました。
もちろん今ある魚にもかっこいいフォルムなもの(例えばアンフィポッドというエビの仲間やサーカスティックフランジヘッドという口の大きなギンポの仲間)だったり、ブダイやベタなどの色鮮やかなものもいますけど、特に今回紹介したバージェス動物群らはまるでエイリアンのような、現在では見ることができなさそうな形をしているからいいんですよね。
その昔、経済番組の「カンブリア宮殿」のカンブリアという文字だけをみてバージェス動物群の番組だと思った私は母に「録画しといて!」と言ったのを思い出しました、何も面白くありませんでしたね。
それでは最後に、先程紹介したカッコいい、色鮮やかな魚たちの写真を載せて終わらせていただきます。
アンフィポッド
サーカスティックフランジヘッド
ブダイ
ベタ
それではまた。