前回に引き続いて、今回はテクノポップの歴史と、私が新しく発見したオススメの電子音楽を使う歌手について紹介していきたいと思います。前回はこちら、
https://yellowrace.hatenablog.com/entry/2020/06/16/024631
テクノポップの定義
テクノポップとは、シンセサイザーや、ヴォコーダーなどの電子楽器(機械的な振動で演奏するのでなく、電子回路による発振音を用いる楽器のこと)を使った音楽の事です。
これがシンセサイザー、これは英語のsynthesize(合成する)に由来する言葉で、様々な音を合成することの出来る機材です。シンセサイザーは1台でピアノ、管楽器、ドラムといったさまざまな音色を再現でき、またその音の高さや反響の具合を操作して新しい音を「合成」することができます。
このシンセサイザーの機能の一つとして、ヴォコーダーがあります、
これがヴォコーダー付きのシンセサイザーです。ヴォコーダーとは、言葉や効果音を楽器音として使うことが出来るものです。一般的には、言葉をマイクによって入力し、それを楽器音に置き換えて合成するため、これを通して出した声を「ケロケロボイス」とか「宇宙人みたいな声」だとか言われます。ディズニーランドのエレクトリカルパレードの導入にもヴォコーダーは使われ、シンセサイザーも使われています。
エレクトリカルパレードもテクノポップですね。
しかしながら、現在に至っては純粋な機械振動(ギターによる弦の振動やドラムによる衝撃音)のみで音を奏でる歌手というのは珍しい部類に当たると考えているので、テクノポップの定義づけが曖昧になりつつあります。
電子楽器による「音」をどれだけ前に出しているのか、という点で「この歌手はテクノポップに値するかもしれない」と私は考えています。
18〜39秒あたりからケロケロボイスが流れます。
テクノポップの歴史
1978年、「ロック・マガジン」という音楽雑誌を発行していたロック評論家の阿木譲が、ドイツの電子音楽グループであるクラフトワークのアルバム「人間解体」のレビューにて、クラフトワークのピコピコした電子音楽の感じを「テクノポップ」という表現で表したのがテクノポップの始まりです。
この造語を気に入ったイエローマジックオーケストラの坂本龍一 がさまざまな媒体に出演して使ったことにより、一般に広まったといわれています。坂本龍一は有名ですよね。彼の結成していた音楽グループ、イエローマジックオーケストラは通称YMOと呼ばれており、日本テクノポップのパイオニアと言われています。有名な曲としては「Rydeen」があります。年代ではない私も聞き覚えはあります。
ここから、電子楽器を使った、私のおすすめアーティストを紹介していきます。
おすすめアーティスト5選
読み方はプラスチック・スクイーズ・ボックス。
ヴァースコーラス形式(Jポップによくある、AメロBメロサビ、の様なパターン化されている形式)にとらわれない自由な音楽スタイルを持った音楽ユニットです。ボーカルであるカマダジュンコの少し気怠げな歌い方と無機質な電子音がたまりません。テレビなどでもBGMとしてよく使われており、彼らのアルバムを一通り聴いた感想としては、
幼少期に感じた「今からすごく楽しいことが起こるぞ!」と言ったワクワク感や高揚感の様な魅力を感じました。
私の好きな歌(?)はそんなワクワク感のイメージとはかけ離れた「early RISER」という歌、テンポが急に変わってしまったり、PVのカオスさが「かっこいいなー」と思わず唸ってしまいます。歌詞が少ししかありません。笑
他のおすすめ曲は「THE mARTIN SHOW‼︎」というお洒落な感じの歌もあります。ワクワクを感じたいなら「Dough-Nut's Town's map」です。
導入音を口で表すなら「チラッ、ジャンジャンジャンジャン、ピピー、ドゴォー」って感じですかね、本当にカッコいい笑
なんかリゾート地で流れてそう。31秒のところ何て言ってるのだろうか笑
この曲は、アルコ&ピースのラジオ番組、「沈黙の金曜日」の挿入歌にも使われています。
PVのエグい内容とと音楽の明るさが合ってない様な気がする笑
私はメンバーのハヤシベトモノリさんのTwitterをフォローしているのですが、フォローが返ってきてテンションバカあがりしました笑
② Tropico Q
読み方はトロピコQ、これはPlus-Tech Squeeze Boxとmilch of sourceによる新プロジェクト、実験的にできた音楽ユニットで、ボーカルの可愛い声と裏腹に、バキバキのドラム音が聞こえてきたり、電子音とハードなロックが絶妙にマッチしています。
「マッシュアップ」という2種類の既存している曲を重ねて、それらをもともとあった曲のように一つにした音楽の手法を使用しています。好きな歌はイングランド出身のハードロックバンド、Deep Purpleの「Highway Star」という曲をカバーしたものです、その中にスーパーマリオの音楽がマッシュアップされており、遊び心満載。
原曲の勢いに負けない「ハードさ」が出ているなあ、といった印象です。
同じマッシュアップでもこちらのCAPSULEとPerfumeの曲はもっと分かりやすいですね。
③ The Vocoders
読み方はザ・ボコーダーズ、絶対にこの人らボコーダー使うやんって突っ込んでしまうくらい直接的な名前ですよね。
実はこのアーティストは、私の好きなPOLYSICS の別ユニットであり、POLYSICS としての曲をボコーダーを使用してThe Vocodersの曲にしています。その中で私が1番好きな曲はスウェーデンのコーラスグループであるABBAの代表曲の一つ「Dancing Queen」のカバー曲が1番ボコーダーを活用できていて、なおかつ神秘的な、原曲とはまた違った良さが出ているなと感じました。この曲に聞き覚えのある人はいるのではないでしょうか?
序盤のピコピコからやられました。歌声から一貫してボコーダー越しの声なので耳心地が非常に良いです。
④ CAPSULE
読み方はカプセル、DJのご存知中田ヤスタカとボーカルのこしじまとしこからなる音楽ユニットです。「FLASH BACK」や「Love or Lies」などの曲がドラマ、映画にもなった、戸田恵梨香主演の「LIAR GAME」の挿入歌にも使われており、ボーカルの声を活かした曲「レトロメモリー」やボーカロイドの様な曲、「Hello」など様々な種類の音楽を作るな、と言った感想でした。
私の1番好きな曲はクラブでかかっていそうな、初めの音楽で度肝を抜かれる「FLASH BACK」です。
しょっぱなからえぐいですよね。脳が揺れるくらいクセになる音でハマってしまいます。
iidaのケータイ「PLY」のCMで流れていたのをよく覚えています。
余談ですけどこのCMやメイプルストーリー、マビノギとかのCMやらが、爆笑レッドカーペットの時間帯によく流れていたなあと懐かしく感じます。
これがレトロメモリー
こしじまさんの声の透明感すごい。この曲はハウス社のシチューのCMになっていたそうです。「ホカホカする家に帰る」といったニュアンスでは少し「あったかハイム」と似ているかもなと思いました。
ライアーゲームの世界観が溢れていますね。
昔フクナガ嫌いだったんですけど今見直したら憎めなくて好きです笑
⑤ パソコン音楽クラブ
パソコン音楽クラブは、2人組のDTMユニット
DTMとは、パソコンと電子楽器をMIDIという電子楽器同士を接続するもので接続して演奏する、パソコンで音楽を作っていく音楽形態のことです。私のおすすめ曲は「Inner Blue」という曲で、夜の散歩にぴったりな、少し感傷的な気分にもなる感じの曲だと思います。何と言っても風景描写が目に浮かぶ様な歌詞の美しさ、俗に言う「エモい」曲です。
どうだったでしょうか?この記事を通して少しでもテクノポップの良さを分かっていただけたら幸いです。
皆さんも自分の好きな音楽のジャンルを知っておくと、そこから自分の知らなかった様々なアーティストに出会えるかもしれません、是非実践してみて下さいね。
最後に、テクノポップとは違いますが、私の最近のイチ押しバンド、CHAIの「sayonara complex」でお別れします。
それではまた。
See you バイバイ、